1、スーパービジョンについて 臨床心理士養成のための指定大学院・専門職大学院を対象として行われた、各大学院付属臨床心理実習施設における臨床心理実習・スーパービジョンに関する質問紙調査について、今年度、68施設から回答が得られた。この調査結果について分析を行った。 一方、スーパービジョンについて質的に検討を行うため、スーパービジョンに関するインタビュー調査を行った。加えて、2回のスーパービジョン・セッションを録画し、終了後にスーパーバイザーとスーパーバイジー双方の体験について、対人プロセス想起法を用いたインタビューによってデータ収集を行い、スーパービジョンのプロセスを検討した。現在これらの質的データの分析を継続中である。 2、成長促進的援助について 大学院修了後の教育訓練・研修に関して、有用な訓練・研修プログラム作成の一助とするため、臨床心理専門職を対象としたニーズ調査を作成した。加えて、心理専門職の専門性発達におけるインターンシップの役割を検討するために、医療領域における臨床心理研修プログラムを作成し、その効果を検討した。また、そのための研修マニュアルを作成した。 3、臨床心理士の発達課題について エキスパート(マスター)セラピストに関する理論的研究を通して、初心者あるいは初任者レベルの臨床家が、専門家としての熟達化を進め、優れた実践家として人間的・職能的成長・発達を遂げるためには何が必要なのかについて検討を行った。
|