「過酷な体験の語りが支援者/研究者に与える心理的影響」に関する研究は、臨床心理学、社会心理学、発達心理学など多領域にわたる。具体的なテーマは、支援者としては、(1)被害者支援、(2)就労者のメンタルヘルス)(バーアウト研究などを含む)などであり、研究者としては、(3)インタビュー調査における聴き手の役割などである。しかし、これらの研究について、相互の交流は行われておらず、知見を総括する検討は行われていない。 そこで、本研究の目的は、(1)過酷な体験の語りが支援者/研究者に与える心理的影響に関するこれまでの知見を総括し、(2)検討が不十分な領域での研究を補完し、(3)支援者/研究者の心理的影響を理解し、過重な負担があれば、それを軽減する方法を検討することである。 目的と実施計画は以下の通りである。 目的1:過酷な体験の語りが支援者/研究者に与える心理的影響について、知見を総括する。(2008 年度) 目的2:支援者として過酷な体験を聴くことの心理的影響について検討する。(2009~2010年度) 目的3:研究者として過酷な体験を聴くことの心理的影響について検討する。(2010年度~2011年度) 目的4:支援者/研究者の過重な負担について、軽減する方法を検討する。(2012年度)
|