研究課題
本研究の目的は、視覚的認知課題の熟達化過程の検討を通して、熟達化の基準を設定し、熟達化の特性を解明することであり、さらに、熟達者と理想的課題遂行者(理想観察者)との比較による効率分析を活用し、視覚プロセスの階層性を解明することである。【本年度の実績】本年度は、研究目的・計画に基づき、20年度の課題を引き続き遂行するとともに、多次元カテゴリー判断課題を行い、その熟達化過程を分析した。○多次元カテゴリー判断課題分散は等しいが平均値が異なる多次元正規分布を設定した。ダンベル状の刺激やそれと同じ構成要素からなる顔刺激を用い、検討した次元(属性)は、明暗、円形部分の半径、棒状部分(顔の場合には鼻)の長さ、高さ等であった。○熟達化過程の検討カテゴリーを1次元から、順次、n次元へと変化させ、それに伴い、判断次元(心的表現)に次元縮小(2次元から1次元)が生じるかを熟達化の目安とした。具体的には、次元数の変化に伴い、一時的な閾値の上昇とその後の低下といった反応パターン、及び最終的な閾値の安定化を熟達化と考えた。実験的検討の結果、通常の次元縮小効果がみられたが、次元の組み合わせによっては、誤統合が生じた。正親の熟達化基準はさらに検討が必要である。
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