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2009 年度 実績報告書

新生仔期NMDA拮抗薬投与ラットの行動異常の解析:統合失調症の動物モデルとして

研究課題

研究課題/領域番号 20530664
研究機関大阪市立大学

研究代表者

川辺 光一  大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (30336797)

キーワード作業記憶 / sensorimotor gating / NMDA受容体 / グルタミン酸神経系 / 認知障害 / 統合失調症 / 動物モデル / 生理心理学
研究概要

グルタミン酸受容体の一種であるNMDA受容体の拮抗薬(MK-801)を新生仔期に反復投与したラットは、成育後においても様々な行動・認知機能の異常を示す。本研究は、このMK-801投与ラットについて、統合失調症患者に顕著な障害が認められる作業記憶やsensorimotor gatingなどの認知機能や行動の特性を調べ、このラットの統合失調症モデルとしての可能性について検証することを目的とする。本年度は、MK-801新生仔期反復投与がこれらの認知能力の障害を引き起こすかどうか調べるために、MK-801(0.2, 0.4mg/kg)を7~20日齢(14日間、1日2回投与)に反復投与し、その成育後にsensorimotor gatingの指標であるprepulse inhibition(PPI)と作業記憶の指標である自発的交替反応(SA)を計測した。その結果、MK-801投与がPPIを障害する傾向が認められた。しかしこの傾向は有意傾向に留まったことから、驚愕刺激や実験環境への慣れの少なさが薬物の効果を隠蔽する可能性も示唆された。一方、SAについては顕著な障害は認められなかった。別の作業記憶課題である位置遅延非見本合わせ課題においてはMK-801による障害が認められることから、報酬の有無などの課題の性質の違いによって作業記憶に対する薬物の効果が異なる可能性が示唆された。また、新規抗精神病薬の標的部位の候補として考えられているカンナビノイドCB1受容体の拮抗薬AM281が、ラットのエピソード記憶の指標とされる自発的物体再認課題の成績を向上させることが分かった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Effects of quetiapine on radial maze learning deficits in rats neonatally treated with MK-8012009

    • 著者名/発表者名
      Yukio Ichitani, Ayako Kudo, Ryo Niikura, Kouichi Kawabe, Kazuo Yamada
    • 学会等名
      第39回日本神経精神薬理学会年会・第1回アジア神経精神薬理学会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      2009-11-14
  • [学会発表] ラットのプレパルス抑制および自発的交替反応に及ぼすMK-801新生仔期反復投与の効果2009

    • 著者名/発表者名
      川辺光一・宮本絵梨
    • 学会等名
      日本動物心理学会第69回大会
    • 発表場所
      岐阜大学
    • 年月日
      2009-09-26
  • [学会発表] ラットの自発的物体再認課題における物体記憶の保持過程-見本刺激提示時間と保持間隔の効果-2009

    • 著者名/発表者名
      岡本こまき・川辺光一
    • 学会等名
      日本動物心理学会第69回大会
    • 発表場所
      岐阜大学
    • 年月日
      2009-09-26

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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