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2010 年度 実績報告書

記憶における確信度と正確さの関連に関する基礎的および応用的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20530665
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

伊東 裕司  慶應義塾大学, 文学部, 教授 (70151545)

キーワード目撃記憶 / 確信度 / メタ認知 / 対人間メタ認知 / 自人種効果 / 犯人識別判断 / C-A関連 / 文化間比較
研究概要

記憶についての確信度と記憶の正確さの関係(C-A関連)について、記憶テストに推測で正答できる可能性が高いかどうかがC-A関連にどのように影響するかについて検討する実験を行う予定で準備を進めていたが、各テスト項目の回答の推測可能性が実験参加者間で異なっていると考えられること、推測可能性を質問紙などで実験参加者ごとに測定することも困難であることが明らかになった。そのため、回答の推測可能性を独立変数としても従属変数としても扱うことが困難であり、この検討については断念することにした。
これに代わり、目撃者の記憶による犯人識別手続きである、ラインナップと単独面通しの比較の実験を行い、確信の程度と犯人識別判断との関係を考察した。一般に言われていることと異なり、被疑者が犯人ではない場合に(target absent条件で)単独面通しの成績はラインナップより高かった。これはラインナップの場合、各構成メンバーに対する確信の程度を比較し、相対的に確信の程度が高い人物が選ばれてしまうことによるものと考えられる。
対人間メタ認知については,一昨年度と昨年度に収集したデータを分析し、ヴィクトリア大学のS.Lindsayらのグループが収集したデータと比較して検討した。その結果、異人種(アングロサクソン)の顔より自人種(アジア人)の顔をより正確に判断できる自人種効果が,目撃者役の実験参加者に見られること,捜査官役の参加者は,自人種効果の存在を知ってはいるが,目撃者の犯人識別判断(ラインナップ)の結果を,犯人がだれであるかについての自身の判断に反映させる際に、その知識を用いることはないことが明らかになった。この結果から、人はこのような知識(対人間メタ認知的な知識)を用いて、確信の程度を調整する、といったことは行っていないものと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 未来についての記憶が顔の再認記憶へ及ぼす影響2010

    • 著者名/発表者名
      日根恭子・野内類・伊東裕司
    • 雑誌名

      慶應義塾大学大学院社会学研究科紀要

      巻: 69 ページ: 145-156

  • [学会発表] Effects of finger movement task on a recognition judgment : The revelation effect caused by the task that does not occupy working memory2011

    • 著者名/発表者名
      Miura, H., Itoh, Y.
    • 学会等名
      The Ninth Tsukuba International Conference on Memory
    • 発表場所
      学習院大学
    • 年月日
      2011-03-06
  • [学会発表] 直前の挿入課題が再認判断に及ぼす影響-Revelation Effectのメカニズム解明-2010

    • 著者名/発表者名
      三浦大志・伊東裕司
    • 学会等名
      日本認知心理学会
    • 発表場所
      西南学院大学
    • 年月日
      2010-05-29

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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