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2010 年度 実績報告書

方向知覚におけるアウベルト効果とミュラー効果の原因究明

研究課題

研究課題/領域番号 20530672
研究機関立命館大学

研究代表者

東山 篤規  立命館大学, 文学部, 教授 (00118001)

キーワードミュラー効果 / 視覚的垂直 / 頭の傾斜 / 線分の長さの効果 / 線分の提示時間の効果 / 感覚-緊張の場理論 / 斟酌説 / 探索説
研究概要

3実験を行った.実験1では,頭を特定の方向に傾けておいて,視覚的に垂直と感じられる線分の方向を決定するとともに,頭の傾きの主観的大きさを求め,それによって視覚的垂直の方向が,頭の傾きの斜酌によって説明されるのかどうかを考察した.被験者52人.実験の結果,ミュラー効果が認められたが,この効果を頭の傾きによって説明することはできなかった.なぜなら,頭の傾きの知覚誤差は,ミュラー効果よりもはるかに大きかったからである.また,ミュラー効果と頭の傾きの知覚誤差の相関も無相関であった.この結果は頭部斟酌説を否定するものであった
実験2では,視覚的垂直に及ぼす刺激線分の長さとその提示時間の効果を検証した.線分の長さを2水準,提示時間を2水準とし,被験者には20名を用いた.その結果,提示時間が短く頭部が右方向に傾斜したときに,ミュラー効果が著しく大きくなった.また短い線分の視覚的垂直は,長い線分のそれよりも左方向に傾斜する傾向があった.これは,感覚-緊張場の理論の予想と一致していた(この理論では,弱い刺激ほどミュラー効果が大きく現れ,右よりも左方向に大きく現れるとする)
実験3では,視覚的垂直に及ぼす探索活動の効果を検証した.これを調べるために,視覚的垂直を実験者調整法と被験者調整法によってそれぞれ決定した.その結果,この2方法から得られた視覚的垂直の間には有意な差が得られなかった.これは,探索活動の有無がミュラー効果に影響しないことを意味する
3実験によって得られた結果を説明するために既存の3理論の予想と比較したところ,斟酌説や探索説ではじゅうぶんでなく,感覚-緊張場の理論と一致することが判明した

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Brightness and image definition of pictures viewed from between the legs.2011

    • 著者名/発表者名
      Higashiyama, Atsuki Toga, Miyuki
    • 雑誌名

      Attention, Perception, & Psychophysics

      巻: 73 ページ: 144-159

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 光点刺激の観察による釘打ち動作と道具の知覚2010

    • 著者名/発表者名
      山崎校, 東山篤規, 對梨成一, 村上嵩至
    • 雑誌名

      心理学研究

      巻: 81 ページ: 453-461

    • 査読あり
  • [学会発表] Apparent depth of picture in mirror.2010

    • 著者名/発表者名
      Higashiyama, Atsuki, Shimono, Koichi.
    • 学会等名
      The 33^<th> Annual Meeting of European Conference on Visual Perception
    • 発表場所
      Lausanne(スイス)
    • 年月日
      2010-08-25
  • [図書] 視覚ワールドの知覚(J.J.Gibson(著))2011

    • 著者名/発表者名
      東山篤規, 竹澤智美, 村上嵩至(共訳)
    • 総ページ数
      299
    • 出版者
      新曜社
  • [備考]

    • URL

      http://research-db.ritsumei.ac.jp/Profiles/37/0003680/profile.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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