研究概要 |
1,昨年に引き続き「申請書」の研究実施計画1)に記した、J.ブルクハルト『イタリア・ルネサンスの文化』の文献学的調査を中心とした基本的作業を継続した。そのために: (1)3月、7月、8月、12月の4回、チューリッヒ中央図書館、およびバーゼル大学図書館で日本の図書館には所蔵されていないルネサンス関連図書を調査し、当時の一般的な人々の考え方や感じ方を実感した。 (2)調査結果について、マインツ大学教授A.チェザーナ教授と意見を交換した。 2,昨年に引き続き、マインツ大学で上記チェザーナ教授およびE.シュトゥルツホルツ研究助手と『イタリア・ルネサンスの文化』についての研究会を継続し、ブルクハルトが主張した「ルネサンス的個人」なるものが、歴史的・文化的に条件付けられていることをさらに確信しつつある。 3,本研究代表者は、上記ブルクハルトの研究と同時に、西欧的人間と伝統的な日本人の「労働」観を比較する作業を進め、その成果を「フランス教育学会」誌に発表した。ルネサンスにおける西欧的個人の出現、さらに人間が生きるために必要な「労働」の日欧比較などを通して今年度もヨーロッパが生み出した「人間」を簡単に普遍的な「人間」とすることはできない根拠を歴史的、文化的に根拠づけつつある。
|