研究課題/領域番号 |
20530683
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
田中 武雄 宮城教育大学, 教育学研究科, 教授 (30091531)
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研究分担者 |
臼井 嘉一 国士舘大学, 文学部, 教授 (50151866)
土屋 直人 岩手大学, 教育学部, 准教授 (10318751)
吉田 剛 宮城教育大学, 教育学研究科, 准教授 (10431610)
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キーワード | 教育方法 / 生活綴り方 |
研究概要 |
本研究では、東北日本で、戦後日本の地域教育実践に結実した典型地域として山形県米沢地域を取り上げている。 本年度は、昨年度の米沢地域における地域教育実践のケーススタディに引き継いで、山形において創造的、個性的な地域教育実践を展開した教師たちの諸実践の中で、その中心にあった劔持清一と土田茂範の実践を掘り起こした。先ず、最初に両者の著作目録及び年譜の作成に取りかかった。5月及び6月埼玉県中浦和及び福岡県小倉に所蔵されている劔持清一に関する教育関係資料の調査を行い、7月山形民俗教育資料室に所蔵されている土田の文献収集を行った。何れも、戦前から戦後へと東北日本における「北方性教育運動」を継承・発展させるという意識に溢れたものであった。また、中でも剣持は"地域"の視点から、土田は"子ども"の視点からという違った特徴を示していた。なお、その成果の一端は、8月に東京大学で行われた日本教育学会に報告した。さらに、山形と並んで西日本の典型地域と言われる兵庫県但馬の森垣修の地域教育実践を比較研究として取り上げた。それは、戦前-戦後の東井義雄を中心とする「村を育てる」教育実践の継承を意図したものであった。山形と兵庫は共通の地域性をもつのである。 今後は、山形県を中心に、東北各県の地方レベルで質の高い実践に取り組んできた教師たちの研究に光をあてて、教育雑誌・研究資料・実践資料等を把握・整理し、以上の情報を各分担者のホームページに公開し、情報提供に努め併せて、研究記録を蓄積し、成果を形のあるものにする。また、関連学会や公開研究会等で共同報告する。同時に、研究成果を共同及び個別に学術論文を執筆する。さらに、なぜ山形・米沢地域や兵庫・但馬地域が典型となりえたのか、その共通性と個別性を考察する。以上の記録を蓄積し、ホームページ等で公開する。
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