研究課題/領域番号 |
20530694
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
衛藤 吉則 広島大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (60270013)
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キーワード | シュタイナー / モンテッソーリ / 神智学 / ホリズム的パラダイム |
研究概要 |
これまでの研究から、シュタイナー教育思想とモンテッソーリ教育思想に共通する物の見方として、両者が思想的に共鳴した神智学の見方が措定されうることを指摘した。しかも、両教育が今日、世界的に注目され、教育実践上の成果をあげていることを鑑みると、この共通する「神智学的な物の見方」の理論枠組みを、今日的な観点から解明することが重要な課題となる。まさにこの理論枠組みの解明こそが、本研究のめざすところであり、その帰結として現代の科学領域で不可視な領域をも包摂する理論枠組みとして期待される「分析モデル」と「ホログラフィックモデル」とを総合する「ホリズム的パラダイム」が提示されたのである。 今年度は、さらに、これらの研究成果を取り込み、シュタイナー教育思想の理論的全体像を今日的概念で描き出すべく、博士論文『シュタイナー教育思想の理論構造と日本的受容に関する研究-認識・存在・モラル・発達をつなぐ現代的ホリズム上としての可能性-』の完成を進めていった。すでに全文を書き上げており、論文審査の手続きをするに至っている。 また、実践面では、オーストラリアのシュタイナー派の学校でおこなったアンケート調査の結果を基に、他の諸外国の初等教育段階でも実施すべく簡易版のアンケートを作成した。来年度はこのアンケートをもとに、いくつかの国のモンテッソーリ学校とシュタイナー学校でアンケート調査をおこない、広範なデータの収集をめざすものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、共同研究者を通じて南オーストラリア州の中等学校のモンテッソーリ学校でのアンケートを予約していたが、調査段階になって学校側から、在学生の人数が少ないため実施できないとの回答を受け、モンテッソーリ関係の学校でのアンケート調査ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
シュタイナー学校とモンテッソーリ学校における中等教育での比較調査ができないため、初等教育での比較調査に変更することにした。そのための簡易版の調査用紙を作成し、これをもとに、両校への調査を進める予定である。
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