「子ども学の構成と展開に関する比較教育社会史的研究」というテーマのもとに進めた本研究は、欧米各国で精力的に進められてきている子ども観の社会史研究の世界的な研究動向を構造的かつ領域区分ごとに詳細に検討することによって、わが国における新しい「子ども学」(Childhood Studies)がその学術的基盤の構築を目指す上で必要な構成カテゴリーと課題の所在を明らかにすることを目的とした。本研究では、「子ども学」の構成カテゴリーを「子ども観の歴史人類学」、「子ども社会学」、「子ども文化の学際的研究」の3つの領域の研究成果から再構成するとともに、少子高齢化社会における子ども理解の構造を「子ども学の構成と展開」という文脈で解明するために比較教育社会史的アプローチを試みた。
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