今年度は、敗戦直後から1949(昭和24)年の新学制の完成年度までを研究対象とし、各地方から創刊された教育関係雑誌や新聞が、いかなるニーズによって創刊され、その隆替はどうであったのか、また、各誌が、どのような教育情報を掲載し、伝えようとしていたのか、教育関係雑誌や新聞の史料収集と書誌的分析を行いました。 なかでも、岡山県金光図書館や長野県立図書館を訪ね、国立国会図書館所蔵雑誌の「空白域」を埋めるといわれている「プランゲ・コレクション」に含まれていない教育関係雑誌の史料収集を行うとともに、個別雑誌の書誌的分析をすることができました。金光図書館では『民主教育』第2巻第4号や『ガイダンス』第1巻第3号、第5号など、「プランゲ・コレクション」の欠号を補うとともに、岡山県教育委員会から創刊された『教育時報』を見つけることができました。また、長野県立図書館では、『科学の学校 にじ』第1号をはじめ、『学友』1巻1号、『上伊那教育』1号、『教育春秋』1号、『教育図書ニュース』1号、『国語の教育』1巻1号、『子供と社会』1号、『新教育』1巻1号、『新児童文化』2集『青年文化』1巻1号、『図書教育』1巻2号、1巻3号など、他の図書館に見られない貴重な多数の教育関係雑誌を確認し、必要な箇所を複写することができました。 その他、古書店を通して、『下伊那教育』をはじめ、『千葉教育』や『信濃教育』などの現物も収集することができ、現在、書誌的分析と内容分析を進めています。
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