今年度も、敗戦直後から1949(昭和24)年の新学制の完成年度までを研究対象とし、各地方から創刊された教育関係雑誌や新聞が、いかなるニーズによって創刊され、その隆替はどうであったのか、また、各誌が、どのような教育情報を掲載し、伝えようとしていたのか、教育関係雑誌や新聞の史料収集と書誌的分析を行いました。 なかでも、米国コロンビア大学C.V.スター東亜図書館ならびに議会図書館に所蔵されている占領下の教育関係雑誌や新聞の調査を行い、資料収集を行うことができたことは大きかったと思います。 周知のように、占領下の日本において創刊された教育関係雑誌や新聞は、国内最大の蔵書量を誇る国立国会図書館でさえ、所蔵されている雑誌や新聞は少なく、国立国会図書館の「収集の空白域」と呼ばれてきました。また、この「空白域」を埋める資料として、アメリカ合衆国メリーランド大学マツケルディン図書館に所蔵されているプランゲ・コレクションの所在が注目されてきました。本研究でも、国立国会図書館憲政資料室に所蔵されているプランゲ・コレクション(マイクロ・フィッシュ)の中から、地方から創刊された雑誌や新聞の収集を行ってまいりました。 しかし、同コレクションには、多くの欠号や未所蔵の雑誌や新聞も存在するため、国内の雑誌や新聞の所蔵調査を実施するとともに、米国コロンビア大学の図書館と議会図書館を調査した結果、数多くの雑誌が議会図書館に所蔵されていることが明らかになりました。現在、その資料の整理と分析に追われています。 次年度も、引き続き、資料調査を行うとともに、研究報告書の作成に着手したいと考えています。
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