平成21年度は、高等学校における学習の評価の現状と課題を、次の(1)(2)の方法で把握した。 (1)都道府県、政令指定都市教育委員会における指導要録及び学習の評価に関する資料の作成と各学校への資料提供の状況の調査 この調査の結果、次のことが明らかとなった。 ア指導要録の取扱いと記入の手引きの作成及び各学校への送付については、ほとんどの都道府県等で実施していること イ指導要録改訂の趣旨に関する資料や各学校における学習の評価に関する資料の作成とそれらの各学校への提供を行った件数は、アの3分の1程度であったこと。 ウ各学校に対する学習評価に関する調査はほとんど実施されていないこと これらのことから、教育委員会の取り組みとしては、指導要録の記入要領を中心としたものであることが分かる。 (2)高等学校中堅教員に対する学習評価に関する調査 全国の高等学校中堅教員に対する調査を行った結果、学習の評価の課題については、概ね次のように整理できることが分かった。 授業と評価の計画・評価規準に関わる課題、評価の客観性に関する課題、評価技術に関する課題、評価の作業量に関する課題、入試や進路との関連、生徒の実態に応ずることの課題、教員の意識や学校の体制に関する課題、評価と指導改善に関する課題、保護者や生徒の反応や対応に関する課題。 平成22年度においては、これらの課題をさらに整理するとともに、課題解決に向けた視点と対応についてさらに検討する予定である。
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