本年度は、1980年代以降の政治・行財政改革によって国の教育政策決定過程とその構造がどう変容したのか、また、自治体の教育行財政がどのような実態になっているのかを明らかにするための基礎的な文献・資料の収集、講読と文部科学省関係者からの聞き取り(インタビュー)調査を行った。 前者の研究作業の成果は、論文「教育法の『改正』動向-戦後教育法制の展開-」(共編著『ガイドブック教育法』2008年三省堂所収)などに反映しているが、戦後の教育政策と教育行財政改革の分析枠組み等を検討した。 後者の文部科学省関係者からの聞き取り(インタビュー)調査の一部は、本実績報告書に添付したインタビュー収録冊子『井上孝美氏インタビュー記録-文部科学省と教育政策-』としてまとめている。本年度のこうした文部科学省関係者からの聞き取り(インタビュー)調査の内容を資料等で確認、検証しながら、来年度は国の政策過程と個別教育政策テーマの幾つかを取り上げて実証的な調査研究を試みていく予定である。
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