研究概要 |
研究初年度である平成20年度は、震災等により物的・心的に打撃を受けた地域において、地域コミュニティの再生による復興に向け、いかなる社会教育事業を展開することが期待されているかを明らかにするために、「社会教育事業は、住民間の『つながり』意識の形成にどう関わっているか?」を研究課題として設定し、社会教育事業の実施状況及び公民館職員等を対象とした調査等を実施した。 公民館関係者らからは、(1)地域住民がともに生活していくための助け合いの心を育み、時代の変化に対応した学習機会の提供に心がけたい、(2)地域の区長、民生委員、各種団体等との連携を図るとともに、地域の中核機能・連絡調整役を務めたい、(3)地域住民の心のよりどころとしての役割を果たし、この地域でともに生活していくという助け合いの心を育む機会となる場の提供に努めたい、(4)地域の輪(和)をつくっておきたい、(5)地域住民が元気でつながりを深められる活動などを推進したい、などの声が寄せられた。 聴き取り調査などを通じて、地域でのふれあい活動や「結い」を通じて築かれた近隣住民の助け合いのきずなやつながり合い、日常的に隣近所がつながり合うことによる地域コミュニティが人々の命や暮らしを支え、そして地域の中での人と人のつながりが、地域内で人・物・情報のネットワークを広め、ひいては地域の活力を高めることにつながり、それが地域においていくつもの「自助」や「共助」を創り上げ、様々な形での「公共」を地域に創り出す活動となるということを確認できたと考える。 平成21年度は,研究協力者らと協議・検討し、「つながり」をキーワードとした地域コミュニティ再生に寄与する「挑戦プログラム」を企画・実施し、地域コミュニティの再生に資する社会教育事業の在り方の解明に向けた研究の推進に努めることとしている。
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