1年目である平成20年度は、次の3つの作業に取り組んだ。 第一に、ドイツ各州での学力向上の取り組みについて情報収集を進めるとともに、複数の州について、その基本理念や理念形成の背景について分析するという作業である。具体的には全日制学校の拡充に関する研究に取り組むということであった。これについては、全日制学校の拡充の意義として、移民を背景とする生徒など、学習環境の整備を必要とする生徒への支援という性格が強いことが明らかとなった。 第二に、ドイツ各州での学校経営改革の現状についての情報収集を進めるという作業である。これについては、各州において外部評価が整備されていること、学校の自己責任を拡大する政策が導入されていることなどを挙げることができる。両者とも、学校の質を高めようという試みである。 第三に、日本における学力向上の取り組みについての情報収集を進めるとともに、学校経営改革の現状についての情報収集を進めるという作業である。これについては、学校評価の法制化をはじめとする学校評価制度の整備が挙げられる。
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