研究課題/領域番号 |
20530758
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研究機関 | 青山学院女子短期大学 |
研究代表者 |
村知 稔三 青山学院女子短期大学, 子ども学科, 教授 (00190926)
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キーワード | 保育制度 / 家庭養育 / ロシア / 日本 / フランス |
研究概要 |
5年間にわたる本研究はつぎの3点を目的としている。 (1)1930年代以降のロシア保育界の動向を、希望するどの子どもにも一定水準の保育を無料か廉価で保障できるユニバーサルな保育制度の構想と実態の交錯に焦点をあてて、追跡する。 (2)そこで明らかになる保育制度の様態の特徴を20世紀日本の保育制度のそれと比較する。 (3)それらを通して、現代社会に適用可能なユニバーサルな保育制度に関するモデル仮説を構築する。 このうち、4年目にあたる23年度には、(1)ロシアの保育制度の構想と実態の推移を補充・総括するとともに、(2)日本の保育制度の構想と実態の推移に関する資料の収集と分析を主として進めつつ、(3)参照系としてのフランスの保育制度の様態の歴史的特徴を概観することに副次的に取り組んだ。こうした複数の課題が並行したので、今年度は学会発表と論稿執筆を控えることになったし(※)、最終目的とする現代社会に適用可能なユニバーサルな保育制度のモデル仮説の作成は24年度に回さざるを得なかった。 ※ただ、白梅学園大学主催「第5回白梅子ども学講座<世界の子ども政策から学ぶ>」(2011年11月)での講演内容を補充・訂正した拙稿「体制転換後のロシアにおける出生動向と保育改革」が『白梅子ども学叢書』第5号(2012年6月刊行予定)に掲載される。また、世界子ども学研究会第4回研究例会(2011年9月)でも発表を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本課題は、その対象期が80年ほどという比較的に長期間に及ぶうえ、内容がロシア保育史研究をベースに、日本保育史研究の成果の摂取とフランス保育史の動向の概観を組み合わせるという複雑な作業を要するものであるから。
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今後の研究の推進方策 |
残されたのは最終年度だけなので、基本方針は変更せず、多少の遅れをできるだけ早期に回復するように努めたい。幸い24年度には青山学院女子短期大学の特別研究期間制度を利用できることとなり、研究に専念できる環境にある。
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