本研究の目的は、大学生のキャリア発達の程度(個人差)を考慮に入れたキャリア形成支援プログラムを開発することである。そのためには、主として次のことに取り組む。 (1)個々の大学生の4年間(入学から卒業まで)にわたるキャリア発達の様相を把握する。そのためには、大学生のキャリア発達の程度を入学当初から4年間にわたって継続的(縦断的)に測定し続けることが必要である。本研究では主として、キャリア発達に関する質問紙調査を実施するとともに、必要に応じて個々人へのインタビュー調査を併用して行う。これらのことを通して、大学生のキャリア発達の変容を明らかにする。同時に、キャリア発達の程度と大学生活の過ごし方との関係についても検討したい。 (2)大学におけるキャリア形成支援の実際と課題を明らかにする。そのために、国内の四年制大学へのインタビュー調査とともに、先進的に若者の雇用対策に力を入れている英国の大学へのインタビュー調査も同時に行う。これらから、学生の実態に対応したキャリア形成支援の方策を考える。 以上のことを総合的に明らかにする中で、大学入学当初のキャリア発達の程度によってそれぞれに有効なキャリア形成支援プログラムを開発する。
|