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2010 年度 実績報告書

新潟県中越沖地震における避難所としての保健室と養護教諭の役割に関する緊急的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20530767
研究機関群馬大学

研究代表者

佐光 恵子  群馬大学, 医学部, 准教授 (80331338)

研究分担者 中下 富子  埼玉大学, 教育学部, 准教授 (50398525)
伊豆 麻子  新潟青陵大学, 看護福祉心理学部, 助教 (50410246)
キーワード地震災害 / 学校保健室 / 養護教諭
研究概要

本研究の目的は、自然災害に被災した児童生徒の心身のケアを迅速にかつ適切に進めていくために、被災時の避難所としての学校保健室の機能と養護教諭の役割を明らかにするすることである。前年度は、地震被災地の養護教諭を対象とした実態調査(質的研究)の実施した研究結果を2010年第69回日本公衆衛生学会(東京)で発表し、同学会誌「公衆衛生雑誌58巻4号」に掲載。引き続き全生塵、自然災害時に応急救護としての機能を学校保健室が持てるために、保健室の備品等の整備現状と課題を明らかにすることを目的に、近年地震災害を経験した柏崎市、長岡市を含む新潟県の主要4市の公立学校に勤務する養護教諭372名(県全養護教諭の113に相当)を対象に、設置状況や必要な備品に関する認識等についての自記式質問紙調査を2010年2月に実施した。結果、207名の養護教諭から回答を得た(回収率55.6%)。養護教諭が災害時において学校保健室に必要と考える備品等は、「情報収集のための器機」と「救急処置・疾病予防処置」に関する内容が多かった。しかし、実際の保健室の整備状況は、パソコンやインターネットの設置率は8割を超えたが、テレビの設置率は1割ほどであった。また、救急箱や救急用医薬品は整備されていたが、松葉杖や滅菌機は4割弱、車いすの設置は3割弱であった。保健室に隣接するトイレやシャワーの設置は1割であった。保健室の設備状況を被災地群と非被災地群とで比較すると、「懐中電灯」「冷暖房」「加湿器」「プリンター」「松葉づえ」等の12項目で有意差が見られた(p<0.01)。保健室環境では、救急車が隣接できない保健室が5割弱を占め、災害緊急時に一時的な保健室の受入れは不可能であると回答した養護教諭は3割弱を占めた。これらの結果から、新潟県中越沖地震の際、被災直後に学校教職員が学校に到着する前には既に、避難住民が学校保健室を使用していたり、保健室の備品等が提供されていたとの報告もあり、災害緊急時に学校保健室が児童生徒や教職員への対応のみならず、高齢者や小児を含む地元住民の緊急的な多様なケアニーズに対応するためには、保健室の備品や環境整備が喫緊の課題であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 新潟県中越沖地震における養護教諭の実践活動と学校保健室の機能につい2011

    • 著者名/発表者名
      佐光恵子、中下富子、伊豆麻子, 他
    • 雑誌名

      日本公衆衛生学会誌公衆衛生雑誌

      巻: 58巻4号(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 災害時における避難所としての学校保健室備品等に関する実態調査

    • 著者名/発表者名
      佐光恵子、中下富子、伊豆麻子, 他
    • 雑誌名

      日本学校保健学会誌電子ジャーナル「School Health」

      巻: 査読受理

    • 査読あり
  • [学会発表] 災害時における避難所としての学校保健室備品等に関する実態調査2010

    • 著者名/発表者名
      佐光恵子、中下富子、伊豆麻子, 他
    • 学会等名
      第57回日本学校保健学会
    • 発表場所
      埼玉坂戸・女子栄養大学
    • 年月日
      2010-11-27
  • [学会発表] 新潟県中越沖地震における養護教諭の実践活動と学校保健室の機能について2010

    • 著者名/発表者名
      佐光恵子、中下富子、伊豆麻子, 他
    • 学会等名
      第69回日本公衆衛生学会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      2010-10-27

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公開日: 2012-07-19  

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