研究初年度である平成20年度は、以下の3つの作業を行った。 1. 滋賀県内と長野県内のそれぞれ2つの学校の視察の実施 2. 10名の教員へのインタビュー調査の実施 3. 平成21年度実施予定の、質問紙調査のための調査項目の検討 4. 学校改革先進校の情報収集作業の実施 上記の4つの作業はいずれも平成21年度に実施予定の質問紙調査の準備作業にあたるものであり、質問紙調査票の作成は順調に進んでおり、また調査対象校の選定が完了した。 学校視察と教員インタビューからは以下のような知見が得られた。 ・学校現場は「総合的な学習の時間」に児童・生徒観の関係づくりに一定の寄与が期待できると考えており、学校レベルでは学校づくりの場として、学級レベルでは学級づくりの場として活用しているケースがあることが確認された。これはこれまで特別活動が担っていた機能を引き継いだものと理解することもできるが、個々の特性・特技が活かせる点が特に重視されており、「総合的な学習の時間」の特殊性が活用されているということができる。 ・「総合的な学習の時間」の活用は、学校の方針や担当教員の取り組み方によって左右されており、したがってその効果も学校差や学級差が大きいと推察される。また、成果を認め、積極的に取り組んでいる教員が確かな成果を上げていることという前研究の結果が再確認された。
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