研究課題/領域番号 |
20530772
|
研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
紅林 伸幸 滋賀大学, 教育学部, 教授 (40262068)
|
研究分担者 |
越智 康詞 信州大学, 教育学部, 教授 (80242105)
川村 光 関西国際大学, 教育学部, 准教授 (50452230)
|
キーワード | 総合的な学習の時間 / 学校改革 / 学校文化 / カリキュラム / 教員調査 / 学校組織文化 / 教師文化 |
研究概要 |
平成22年度は、平成21年度に実施した3つの質問紙調査、(1)滋賀県・長野県の公立小中学校教員を対象とした質問紙調査(教員調査)、(2)滋賀県・長野県の公立小中学校を対象とした質問紙調査(学校調査)、文科省指定の研究開発校等を対象とした質問紙調査(管理職調査)の結果を整理・分析し、日本教育学会、日本教育社会学会において、その結果報告を行った。また、その報告を学部紀要として論文化すると共に、HPを開設し、調査結果と簡単な報告を公開し、研究にご協力いただいた学校及び教員に、調査結果を閲覧できるようにした。なお、分析の結果以下のことが明らかになった。 「総合的な学習の時間」に対する現場の教師たちの懸念は確実に減少し、導入当初ネガティブな態度を持っていた中学校において、特に子どもが「学校を好き」になったなどの子どもへの効果、「子どもに対する見方が変わった」、「授業の力量があがった」などの教師への効果が実感されている。また、管理職において「総合的な学習の時間」の意義を高く評価する傾向が、この5年間で強まっている。「総合的な学習の時間」の効果が逸早く現れた小学校ではその後の伸びは小さいが、否定的に転じたわけではない。 以上の「総合的な学習の時間」が世間の逆風にかかわらず、現場レベルで着実な進展を遂げている事実は、学校現場が教育改革における方針に単純に左右される存在ではない、自律した存在であることを示している。学校現場は方針の揺れに遭遇しつつも、これを独自に活用・解釈し、それを既存のパターンに取り込むなど、新たな実践(教育)を生み出す力を持っているといえる。
|