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2009 年度 実績報告書

平和な社会の形成のための教育の比較社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20530773
研究機関京都教育大学

研究代表者

村上 登司文  京都教育大学, 教育学部, 教授 (50166253)

キーワード教育学 / 社会学 / 平和学 / 平和教育 / 平和構築 / 平和形成 / 平和啓発
研究概要

1. ドイツの平和教育について比較教育学的分析を行った。(1)ドイツでの面接調査では、エアランゲン大学の国際交流係、フランクフルトおよびベルリンのギムナジウム教師に平和教育に関して面接した。フランクフルトでは副校長に、学校運営と平和教育との関連性について聞いた。(2)ドイツの政治教育施設の訪問調査では、ナチス・ドイツの政治施設や強制収容所跡地が、当時の政治状況を学習する資料館として活用されている。ヒットラー政権下の学習や、現在の政治への参加の学習を通じて、ドイツの子ども達が平和的社会の形成方法を学んでいる。(3)ドイツのギムナジウムで、平和形成が法に関して質問紙による意識調査を、平成21年12月から平成22年3月にかけて行った。ドイツ国内の8州から計8校のギムナジウムの協力を得て、476名の生徒から調査回答を得た。ドイツの生徒は日本と同様に、正義の戦争論に反対するものが多く、また戦争忌避感が強く平和志向的態度が強いといえる。また、広島・長崎の被爆体験の継承について賛成意見が多く、核軍縮教育の普及活動のパートナーになりうる。戦後65年経つが、父母や祖父母から戦争について聞くギムナジウム生徒の割合が、日本と比べてかなり高い。
2. 平和教育学の成立過程を分析した。ポスト冷戦の1990年代前半に、海外で比較教育学的な平和教育研究が進んだ。1990年代に包括的平和教育の概念が使われ,平和教育研究者が増加した。ヨーロッパやアメリカに平和教育研究者のネットワークができ,研究成果が積み重ねられてきた。こうした学問的発展が,Journal of Peace Educationが2004年に創刑される原動力になった。この創刑をもって、海外の平和教育学が「制度的に離陸した」と捉える。この分析により,平和教育研究の層を厚くすることで,平和教育学の成立を図るべき事が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 海外の平和教育研究の発展段階-日本の平和教育学成立への示唆2009

    • 著者名/発表者名
      村上登司文
    • 雑誌名

      平和研究 34

      ページ: 171-187

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中学生の平和意識についての比較-上海、ホノルル、デンバー、京都の4都市の中学生の意識調査から2009

    • 著者名/発表者名
      村上登司文
    • 雑誌名

      広島平和科学 31

      ページ: 37-64

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 平和教育の現状と課題-平和教育の推進のために2009

    • 著者名/発表者名
      村上登司文
    • 雑誌名

      日本の科学者 44(8)

      ページ: 16-21

  • [図書] 戦後日本の平和教育の社会学的研究2009

    • 著者名/発表者名
      村上登司文
    • 総ページ数
      474
    • 出版者
      学術出版会

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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