本研究は、複数の文化的背景をもつ子どもたちの教育とアイデンティティ形成について明らかにしようとしている。具体的には、一方の親が日本人で、スイスで育つ子ども達がどのような教育を受けているのか、日本やスイスをめぐってどのようなアイデンティティを構築していくのかを、アンケートや聴き取り調査から解明している。本年度は、以下のように調査・研究を行った。 1先行研究・基礎資料の検討2008年4月〜2009年3月 (1)在外教育、国際結婚、アイデンティティ形成などをキーワードに、先行研究を検討した。 (2)スイスの多文化教育に関する政策文書の翻訳を依頼し、分析した。 (3)「国際児と(文化的)アイデンティティをキーワードとした研究会」に参加し情報を収集した。 2調査の準備(1)2008年4月〜8月(2)2008年4月〜8月および10月〜2009年2月 (1)アンケート項目の作成、予備調査、調査協力者への依頼、アンケート用紙の作成を行った。 (2)聴き取り調査について、過去のデータの分析や質問項目の再検討などを行った。 3調査の実施2008年9月、2009年3月 スイスにおいて計2回の調査を実施した。アンケート調査は、日本語学校において第1回調査で行った。両調査において、聴き取り調査と、日本語学校・教室、補習校での参与観察を行った。 4調査結果の分析・考察2008年10月〜2009年3月 (1)アンケートの集計(2)インタビューデータのトランスクリプトの作成(3)(1)(2)の分析 5学会発表 異文化間教育学会、母語・継承語・バイリンガル教育研究会で口頭発表した。
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