本研究の目的は、以下の通りである。第1に、戦後60年間における小学校から高校までの児童生徒数・教員数・学校数・学級数の変動を全国および47都道府県について分析し、児童生徒数の急増急減と学校システムの構造変化を分析する。第2に、47都道府県の学校規模、教育条件と各県の教育財政の関係を分析する。第3に、大規模校と小規模校で、学級編成や教授組織、教育指導や教育効果がどのように異なるかを質問紙調査データを分析し、「適正規模」とされている12-18学級の学校規模が、どの程度、教育上の意味があるのか、検討を行う。第4に、我が国の学校規模と高校組織の在り方を考察することである。初年度の平成20年度には、次の分析を行った。 1.戦後における学校規模の分布の変化と2007年度における詳細分析『学校基本調査』を用いて、戦後約50年間における全国および各都道府県の公立小・中学校および高校の学校規模の分布の変化を分析した。さらに、2007年度現在の日本の小学校・中学校・高校について、児童生徒数等の学校規模の特性について分析した。 2.学校規模に関する文献収集・研究のレビューアメリカとイギリスの実証研究の代表的な文献を入手し、過去の実証研究の方法論を検討した。 3.学校統廃合・高校再編に関する地方自治体の再編統合計画の調査全国の都道府県の教育委員会ウェブサイトから、調査報告書、答申類を収集した。 4.学校規模と指導方法・教育的効果に関する校長調査票の作成平成21年度に予定している学校規模・学級編制・指導方法に関する調査の質問紙を作成した。
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