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本研究は、現代の親に対してその発達をいかに支援するかという視点から、欧米の親教育プログラム(parenting program)について、その内容・方法・効果等を比較分析するものである。昨年度はイングランド及びスコットランドにおいて現地調査を行ったが、本年度はアメリカ(ロサンゼルス)及びカナダ(ベンクーバー)における家族支援や親教育の実施状況について現地調査を行い、具体的な親教育プログラムについての資料収集及び分析を行うとともに、スコットランド(エジンバラ)において補充調査を実施した。
その結果、以下のような知見が得られた。(1)家族と親の経済的・文化的状況に合わせた形で、家族支援と親教育が提供されていう。(2)地域ごとに親教育プログラムを開発しているイギリスとは異なり、アメリカとカナダにおいては有効なプログラムの購入・実施が盛んである。(3)各国に共通して、親子関係をいかに取り結ぶかに焦点を当てている。(4)カナダにおいては、自助グループの活動の一部として親教育プログラムが活用されている。(5)ティーンエイジャーで親となった学生や祖父母が孫を育てなければならない事例が増加しているのに対応して、そうした親(保護者)を対象とする支援が行われるようになってきた。(6)家族をベースとした子育てを支援するために、問題を抱えた家族の家庭を訪問する形でサービスが提供されることも多い。(7)幼児期の発達支援という観点から、親教育と家族支援のサービスが提供されるようになってきた。
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