研究概要 |
1.理論的・実証的先行研究を整理・検討し、データ収集のための共通の調査項目、調査対象者の基本条件、および調査手続き等についてのガイドラインを作成した。また、文献・統計資料に基づき、各調査対象国・地域の日系国際児(両親の一方が日本人、他方が外国人の子ども)を取り囲む包括的な状況(政治・経済、教育・学校システム、民族構成など)を把握した。2.台湾(台北、9月)、インドネシア(バリ州、8-9月,3月)、英国(ロンドン、9月)で海外調査を実施した。日系国際児のアイデンティティ形成や日本語・日本文化習得状況等を把握するための半構造化面接や参与観察、および目系国際児を取り巻く環境(日系コミュニティ、日本語・日本文化の教育環境など)に関する情報・資料の収集をおこなった。台北では、山田千明が、台北日本語授業校を中心に、日本-台湾国際結婚家庭、バリ州では、鈴木一代が、バリ日本語補習授業校を中心に、日本-インドネシア国際結婚家庭、ロンドンでは、渋谷真樹(奈良教育大学)が、ロンドン日本語補習授業校を中心に、日英国際結婚家庭を対象に、日系国際児とその日本人母親に面接調査を実施した。また、各自が日本語教師への聞き取り調査もおこなった。3.東京およびその近郊において、国内調査を実施した(11-2月)。高橋順子(クリスチャンアカデミージャパン)が、欧米人の母親と日本人の父親からなる国際結婚家庭の日系国際児、およびその母親を対象に面接調査をおこなった。4.各調査の実施報告(概要)を基に、収集したデータの整理・分析に関する共通の基本的枠組みを検討1し、整理・分析を進めた。5.『海外フィールドワークによる日系国際児の文化的アイデンティティ形成』(ブレーン出版社)、論文、学会発表には、文献研究の成果が一部盛込まれている。
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