二年目にあたる平成21度は、実践、研究、および、政策の目的の共有化・運営化のなかで試行錯誤的に運用されている日常的な保育の実践知を社会文化的アプローチの諸理論とエスノグラフィーの手法を用いて明らかにするために、初年度の文献研究およびフィールド調査を継続して行うとともに、新たにアクション・リサーチのプロジェクトを立ち上げ、実践知の創造を支援する活動システム理論の構築につながる焦点事例を収集した。文献研究では、との分野の研究と実践が進んでいる国際学会「幼児教育の再概念化(Reconceptualizing Early Childhood Education)」や団体「財団法人地域創造」、公共施設「世田谷パブリックシアター」等の成果を中心に最新の動向を把握・整理した。フィールド調査では、「実践」に深くかかわる、いくつかの先駆的なワークショップ型研修の現場に赴き、参与観察を行うとともに、関係者から情報提供を受け、本研究におけるプロジェクトを遂行する際の参考にした。 アクション・リサーチのプロジェクトとして、平成21年度に開催したワークショップならびにデータセッションは、次のとおりである。ワークショップ型研修にかかる資料と画像・映像を用いた分析結果は、あえて高度に専門化された学際的な学会ではなく、より現場の実践知に引きつけた検討が見込める研究協力者とのデータセッションの場で発表し、理論の構築につながる焦点事例の解釈枠組みについて議論し、その精緻化と深化をはかった。 ワークショップI「リラックスとコミュニケーション(講師:きだつよし)」(於安田女子短期大学)2009年7月4日 ワークショップII「リラックスとコミュニケーション(講師:きだつよし)」(於安田女子短期大学)2009年10月23日 データセッション「保育者養成校における演劇ワークショップ」(於デスカット新宿西口店)2010年3月15日
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