研究概要 |
本研究の目的は、美術館施設と学校教育の連携による教育プランの開発を通して両者の教育機能を実践的に検証し、関係者の人的交流や教育資源の共有化が地域社会の文化環境形成とその向上に及ぼす影響を分析することである。平成20年度は、教育普及活動の現状把握、先駆的事例の収集に重点を置いた。 1. 北海道立釧路芸術館及び釧路市立芸術館における教育普及活動の現状把握 両館の学芸員の協力を得て、開館から現在に至る教育普及事業及び学校連携事業の実績を確認した。事業の特徴、立地や付帯設備による利用者の違い、教育普及活動の位置づけなどを確認し、地域におけるそれぞれの美術館施設の実態を明らかにすることができた。 2. 釧路市内及び近隣町村の学校における美術館施設利用の現状把握 釧路造形教育研究会の協力を得て、市内及び近隣の学校における美術館施設の活用について、教員からの具体的な意見を聴取した。また、北海道教育大学釧路校と北海道立釧路芸術館のこれまでの連携事業から、大学と美術館施設の連携のモデルを構想した。 3. 英国における先駆的事例の調査 北海道立釧路芸術館、釧路市立美術館の学芸員の協力得て、英国の美術館における教育普及活動の調査を行った。V & A Childhood Museum, Sir John Soane's Museum, The National Gallery, Design Museum, V & A Museum, White Chapel Art Galleryを訪問し、教育普及担当者からの聞き取り調査及び資料収集を行い、それぞれの教育普及事業の運営に関する情報と資料、教材を得た。 4. 美術館施設と学校の連携による教育活動プランの開発と実践 北海道立釧路芸術館の「棟方志功展」に関連した小学生向け版画ワークショップを開催し、北海道教育大学釧路校の美術研究室が開発した教材(プログラム)を実行した。
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