本研究では、教員志望学生が専門の造形能力を生かして「開かれた学校」推進教員を支援し、地域活動に参加するプログラムを開発・運営する。このプログラムにより教員志望学生が、「教育的実践力(臨床的実践力・協働能力)・専攻分野における専門能力」を連携の中で実践的に高め、教員としての成員性とともに表現者、地域住民としての成員性を獲得することを目指す。また、支援校が、美術館等の施設・他校・地域住民・保護者との連携を深めることを目指した。 本年行った第一段階の基本プログラム開発では、汎用性のあるプログラムを作り、第二段階の個別プログラムの基本となるプログラムを制作することが目的である。基本プログラムの中心的技法の第一は、内省的分析である。これは造形対象に対する初発の感想を、造形対象の諸要素による影響と見なし、自分自身が造形対象のどの様に影響を受けたのかを内省的に分析する方法である。中心的技法の第二は、対話を通しての鑑賞である。内省的分析の結果や途中プロセスを、交流することで、造形対象の意義や価値を多義的に深めることが可能であった。
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