平成22年度は、<生産的教授法Produktionsdidaktik>の視点から、<音楽>と<ことば>との統合的文化理解の実践モデルを開発した。即ち、<ことばSprache>と<音楽Musik>という表現の素材を、<受容Rezeption><解釈Interpretation><転換Transformation><生産Produktion><表現Praesentation><省察Reflexion>の6つの学習活動を循環させる、らせん型の教授モデルを提示した。 本モデルの構築に関して、平成22年5月、平成23年3月にはザルツブルグモーツァルテウム音楽大学にて、また同2月には東京学芸大学において、国際統合的音楽教育学会Internationale Gesellschaft fur Polyasthetische Erziehung( IGPE)に所属する各国の研究者からのレビューを受けた。 本研究の実践的側面に関しては、日本音楽教育学会における平成22年度のプロジェクト研究において、本モデルを応用して4名の若手現職教師の実践研究を統括・実施し、9月に開催された埼玉大学における全国大会で発表した。また、平成23年3月、国際統合的音楽教育学会のシンポジウムに一貫して、ザルツブルグのギムナジウムにて、日本の民話を題材にオーストリアの生徒を対象にワークショップを行い、本モデルに基づいた多元美学的即興表現を実施した。 なお、本モデルを含めた平成21年度までの研究内容の一部を、ザルツブルグモーツァルテウム音楽大学に提出し受理された博士論文に掲載した。
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