平成20年度は、小松市立第一小学校、小松市立波佐谷小学校、八戸市立長者小学校、京都市立大宅小学校等において算数授業研究会を実施して、活用する力を育てる授業実践および1段階の与える「足場」の授業や2段階の教師や仲間といっしょにつくる足場の授業を実践した。成果としては以下の点があげられる。 1)3学年と4学年の2つの学年については、全単元の学習指導案を作成し、指導案集を印刷して研究協力校に配布した。5学年と6学年の指導案集はすでに前年までの科学研究費で作成している。 2)第一小学校では、1学年から6学年の研究単元で、与える足場や児童が仲間とつくる足場の授業を行い、実戦事例を集めた。4学年の「変わり方」単元では、第1時で「与える足場」の授業で関数の考えを指導し、第2時で「児童が仲間とつくる足場」の授業で解法の見通しを話し合わせ、自力解決させた。第3時では最初から各自に自力解決させた。このような3段階の足場の作り方がうまくいく指導内容であることが見出された。 3)活用の6つの観点「生活から算数を見つける」「情報を活用する」「論理的に考える」「振り返って考える」「解釈する」「表現する」を考慮した授業づくりを行い、活用する力を育てる算数授業づくりの事例を収集した。研究協力校の多数の授業実践をもとに、「活用する力」を育てる算数授業事例集の出版の準備を完了した。
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