平成21年度は、小松市立第一小学校を中心に算数授業研究を「伝え合い学び合う算数授業」をテーマに実施した。成果としては以下の点があげられる。 1.3段階の話し合い指導の3段階指導プログラムを開発した。1年から6年までの算数の話し合い場面を想定したシナリオを学年別に作成した。第1段階の話し合い指導は、このシナリオを児童に読ませ、演じさせて、どんな話し方聴き方がよかったかを話し合わせて、望ましい話し方聴き方を理解させて指導する。このとき、学んだ話し方聴き方をカード化しておく。第2段階の話し合い指導は、話し合いカードを用いて普段の授業の中で話し合いの仕方を指導する。第3段階の話し合い指導は、話し合いカードなしに話し合いの仕方を指導する。3段階の話し合い指導を1学期に、2学期、3学期に実施するとともに、学期末に聴き方・話し方アンケート調査を実施し、児童の達成状況を把握した。その結果、どの学年でも児童の話し方聴き方の基本は身につき、算数や他教科の授業の中でつなげながら考えを出し合い、話し合う授業ができるようになった。またアンケート調査については1学期末に比べて2学期末の伸びが大きく、ある程度の指導期間が必要であることがわかった。 2.この実践研究をもとに、「伝え合い学び合う足場のある算数授業」の出版の準備を完了した。この本は2010年6月に明治図書から出版される。 3.20年度から引き続いて取り組んでいる「活用する力を育てる算数授業づくり」についても、研究協力校の実践事例をもとに2009年11月に「活用する力」を育てる算数授業(東洋館)を出版した。
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