研究概要 |
本研究は、近年イタリアの一般教育において活発化する「舞台表現(テアートロ)教育」について調査し、その結果からわが国の表現教育、特に音楽表現のあり方を再考することを目的とする。平成23年度は下記の通り研究の進展を図った。 <現地視察・調査および研究交流> ・国立ミラノ大学・ビコッカの教育科学部(教員養成コース)においてP.ボーヴェ講師の「音楽テアートロ教育」ラボラトリー三授業を観察し、同講師と研究交流を図った。 ・ロンバルディア州教育研究所(ANSAS)において情報収集。 ・コンコレッツォ市サン・ルイージ劇場にて小学生のための演劇鑑賞会を視察、オレーノ市ドン・ゼノ中学校、ミラノ市ロンゴーネ小学校を訪問、学習活動を観察、教員と意見交換。 ・イタリア音楽教育協会(SIEM : Societa Italiana per l'Educazione Musicale)ミラノ支部および教職研修組織(OPPI : Organizzazione per la Preparazione Professionale degli Insegnanti)共催によるセミナー「音楽テアートロ-領域横断的経験」にて講演、日本の小学校と教員養成課程における教育実践例を紹介し、イタリアの研究者(C.Delfrati, P.Bove, A.Caputo)や教員と協議を進めた。 今年度はイタリアでの研究交流とイタリア・日本両国における研究成果発表を通して、「音」「動き」「形」「情動」「創造性」の観点から、テアートロ教育実践論の音楽表現教育への応用の可能性を導き出し、研究の総括(報告書作成)を図った。
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