本研究の目的は、社会系教科教育の新たな改革の方向を探るため、ドイツの中等教育段階(前期中等教育段階・後期中等教育段階)における社会系教科目の主要な学力像を究明することである。 そのために本研究では、インプットとしてどのような内容を習得させようと目指しているかという視点だけでなく、アウトプットとして何ができることを学習者に対して求めているかという視点を重視する。前期中等社会系教科目の学力像を究明するための主な分析対象は、各教科目の関連学会等による教育スタンダード、各州のレアプランなどである。 後期中等社会系教科目の学力像を究明するための主な分析対象は、文部大臣会議(KMK)によるアビトゥーア試験統一基準、各州のレアプランなどである。本研究では、これらの分析を行い、ドイツの前期中等教育段階と後期中等教育段階における社会系教科目の学力像の特質や意義また課題を追究する。 本研究の開始に先立ち、既に平成19年度にドイツ地理学会による地理科の教育スタンダードを分析し、前期中等地理教育における主要な学力像について考察している。そこで、前期中等社会系教科目の学力像については歴・公の場合を中心に主として平成20~21年度に取り組むこととする。それらの考察結果を踏まえ、後期中等社会系教科目の学力像については主として平成22~24年度に取り組むこととする。
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