研究概要 |
作図ツールなどテクノロジーを使った研究授業の中から5本を選択し,数学的探究の意思決定の場面を中心に会話記録の作成・分析を行った。問題状況に接したときに,さらにデータを収集しようとするのか,証明・反証を試みようとするのかなどのモードの選択が数学的探究の分岐点になっていると同時に,特に組織的・効率的なデータ収集をテクノロジーが支援することがわかった。たとえば,生徒が確かめてみたい疑問を持ったときに,関連するデータを収集することでその妥当性の確認や反例の発見による納得などが可能になることがわかった。教師の教授行動は,授業中の生徒の活動によってどれを選択するかが変化すると同時に,そのような意思決定の場面を予め想定するかどうかによっても授業設計は変わっていくことがわかった。また,そのような具体的な場面の一つとして「対応表」を取り上げ,考察した。 2009年度は,「水汲み問題」といわれる問題などに関して,春日井高校(2009/10/21,11/16),愛知教育大学附属名古屋中学校(2010/1/25)において研究授業を行った。同時にそれに先立って,中学生・高校生・大学生を対象に授業を行う場合に,どのような授業化の可能性がありうるかを,研究協力者と協議すると同時に,それぞれの研究授業についても分析・協議を行った。
|