研究概要 |
小学校理科カリキュラムは大きく分けると,顕在的カリキュラムと潜在的カリキュラムに分類することができる。本研究では顕在的カリキュラムとして小学校理科学習指導要領や理科教科書などを取り上げ,潜在的カリキュラムとしては科学読み物を取り上げ,これらのカリキュラムの成立・発展過程を分析・検討することを目的としている。具体的には以下の研究計画に従って,理科カリキュラムデザインの分析・検討を進めている。 (1)昭和22年版小学校理科学習指導要領は文部省によって,どのような理念のもとに構想され,具体化されたのか,その成立過程において,GHQ/SCAP/CIEによる関与はどのような形で行われたのかを明確にすること。 (2)理科研究中央委員会及び地方委員会が昭和22年版小学校理科学習指導要領の改訂や『小学生の科学』の編纂,地方での理科カリキュラム作成などに果たした役割を明示すること。 (3)占領期において小学校理科教科書が墨塗り教科書から暫定教科書を経て,検定教科書に至るまでの編纂プロセスを明らかにすること。 (4)B.M.パーカーの翻訳書『基礎科学教育叢書(Basic Science Education Series)』や『銀の鈴文庫』などの広島図書刊行の科学読み物が戦後の理科教育改革に及ぼした影響について明らかにすること。
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