本研究はアジア地域における美術教育の教育課程がどのように実質化されているかを検討するために、美術教育の実態について実態調査を行うものである。 シンガポール、マレーシア、台湾における教育課程、教員養成、教科書・参考書、教育方法、教育実践の実態について現地調査を行い、さらに美術教育を支えている各国・地域の美術文化をあわせて調査するものである。 特に、多民族多文化社会における伝統文化と現代文化をどのように教材化しているのかに焦点を当てている。具体的には、異文化理解のための美術教育、美術教育課程と美術文化の関連、教員養成と専門教育などである。これらの事項を把握するため、上記の国及び地域における初等・中等教育学校、教員養成機関、高等教育機関等を訪問し、資料収集、面談及び取材によって、教育課程がどのように構成され、さらにそれが教育現場においてどのように実質化されていくのかを明らかにする。
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