研究概要 |
研究初年度における実績は以下の4点である。第一に,基幹校である立命館大学内外における協力体制の再確認と作業課題の設定,数学的リテラシーに関わる基本的な論点整理と,高大連携推進室・就職支援室・キャリアオフィス等との協議による文科系学生に必須な数学的能力に関する共通見解の確立である。特に統計的能力と解析的能力に関する必要性の高さが確認された。第二に,文科系(産業社会学部,文学部,法学部,国際関係学部)及び理数系(理工学部,情報理工学部)を対象とする基礎数学力・数学観に関するベースライン調査の実施である。また教員志望の学生を対象に,その数学観がケースメソッドでどのように変容しえるかを探る上での教授実験を行い,その成果を国際学会(International Conference of Educational Research Learning Community for Sustainable Development)及び国内学会(日本科学教育学会第32回年会)にて論文発表した。第三に,上記各調査の結果分析を踏まえての,文科系・理数系における特徴的な回答者に対するペアインタビュー実施である。同成果を国内学会(第44回近畿数学教育学会)にて学術報告した。第四に,同分析結果の一次報告とケースメソッド事例の国内外における収集に基づく数学的リテラシー向上のベンチマーク設定に向けた第一回専門家会合である。会合において次年度以降の継続的な研究課題が明確化された。
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