研究概要 |
本研究は,私立女子大学の小学校教員養成課程における広領域実践型「理科指導力」育成プログラムを開発し,その評価を行うことを目的としている。本年度では,次の3点が取り組まれた。 (1)資料・情報収集:直接的な資料・情報は,継続検索中であるが,課題に関連した外国文献資料を入手し始めることができている。本年では,「Girls for Science: Successful Classroom Strategies」(2007)の内容に関するアンケート調査を試行的に実施することができた。また,年度末に実施されたNSTA(全米科学教師学会)において「Girls in Science:A Framework for Action」(NSTA)の著者を囲んだ会議に出席し,示唆的な情報を得ることができた。次年度のさらなる情報交換を期待している。 (2)ドリル集の作成:大学の授業において,特に物理・化学に関する内容を盛り込んだスキルアップのための「ドリル集」を作成した。物理・化学領域に関する興味・関心が薄い傾向にある女子学生に対して基礎的な内容を中心としたスキルアップのためのドリル集である。21年度では,完成した成果物も取り入れた具体的授業の立案,実施に試みる予定である。 (3)アンケート調査の実施と予備的実践の試行:本年度は,大学で実施される教員養成系科目(理科)の授業内容・方法に対する配慮や外国の書籍で取り上げられていた「共学の小学校における女子への工夫」に関する意見等を集計することができた。また,これまでのアンケート結果を参照しながら,「理科指導法」(2年時生対象)においてその一部を試行した。人体模型の貸出しや染物の工程・材料の確認等,プログラム開発協力員から助言を受けて実践することができた。実施授業では,模擬授業形式を取り入れる工夫も行われた。その成果報告は,平成21年度の学会発表等に向けて準備中である。
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