本年(平成22年)度は、3年目の最終年度に当り、我が国における総合的な学習の時間や社会科・生活科・道徳・特別活動・キャリア教育等の市民性教育領域を中軸コアとして、各教科・領域のクロス横断型相互依存関係をより一層充実強化した、21世紀の新しい学校カリキュラム編成の理論と実践の在り方について、アメリカやイギリスやEU(ヨーロッパ連合)やOECD/SERIや国連・ユネスコ等、諸外国のシティズンシップ教育・キャリア教育の成果はもちろんのこと、東京都品川区の「市民科」やお茶の水女子大学附属小学校・中学校の新教科「市民」、経済産業省の「シティズンシップ教育宣言」など、国内での先進的な教育実践も参考にしながら、神戸大学附属学校や学会に参加する多数の教師たちと共に、カリキュラム構成・教材開発・授業実践の具体的レベルでの開発研究に取り組んだ。 申請者が主催している「国際市民性教育推進ネットワーク」による国際交流活動としては、5月の韓国ソウルの漢陽大学で開催されたアジア・太平洋多文化教育学会への参加、8月にはスペイン・マドリードでの教育文化施設の訪問と交流、9月から10月にはイタリアのトリエステで開かれたヨーロッパ市民教育会議への参加、12月には韓国・公州教育大学の教員約50名の神戸大学大学院人間発達環境学研究科の訪問と交流を実施した。さらに、11月26日・27日・28日に神戸大学大学院人間発達環境学研究科の学術交流ウイークスの一環として実施した、第6回「国際市民性教育推進ネットワーク・セミナー」では、ロンドン大学教育研究院のBryony Hoskins博士、ノルウェー教育省のLars Nerdrum博士を招聘して、現在ヨーロッパ連合(EU)が積極的に推進している「21世紀・知のヨーロッパ構想」の基礎的能力概念として注目されている「生涯学習のためのキーコンピテンスとシティズンシップ教育」の理論と実践についての理解を深めるために、日本グローバル教育学会との共催でワークショップを開催した。また日本個性化教育学会・全国社会科教育学会・日本公民教育学会等多数に参加した。
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