現在、様々な地域で市民性の教育の必要性が叫ばれ、それが実践に移されている。その背景には、グローバル化の進行による、社会制度、人間関係、自己のあり方の流動化がある。後期近代においては「再帰性」がより強まっており、それに対応することが求められるが、現代哲学が考察してきた「移行」に関する考察を「市民性教育」にも応用することができる。そこで、各地における「市民性教育」の諸実践の現状と課題を分析し、「市民性教育」の依拠する概念枠組みと方法論の再構築を行い、「子どものための哲学」を「市民性教育」として導入するための、日本の学校教育において実践可能なカリキュラムを開発した。
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