本研究では、学生の日本語運用能力を高め、また論理的思考力を育成する方法および能力の評価方法を開発することによって、グローバル化社会に対応できる教養教育の構築を目的とする。平成21年度は、次の5項目を実施した。1. 教養教育における日本語運用能力関連情報のシラバス等を使った調査:昨年度の調査において抽出した有為な要素である「構造化の概念を認識させる手法」について、諸大学発行の教養教育年報やGood Practice事業報告書等を用いて補足的な追加調査を行った.2. 大学への訪問調査:学会年次大会等においてシラバス調査の補足的な調査を行った。3. 研究会・学会での情報の発信・交換:大学教育学会、日本工学教育協会年次大会、ならびにAsian Conference on Enineering Educationにおいて成果発表を行った。4. 教授方法・評価方法の構築:昨年度開発した学習者のノートテイキング手法について、常に講義内容の文脈を階層化して捉えさせるノートテイキングの利点を維持しながら、学習者の習熟度向上の観点から、フォーマットを簡易化する方向で改良を行った。それに併せて、評価方法についても評価フォーマットの改良を実施し、また、レポート試験への適用拡大を試行した。5. 授業への適用による部分検証:大人数講義において、開発した学習方法と成績評価方法を適用し、授業設計に関する有為なデータを得ることができた。
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