研究課題/領域番号 |
20530858
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研究機関 | 日本赤十字九州国際看護大学 |
研究代表者 |
因 京子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (60217239)
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研究分担者 |
松村 瑞子 九州大学, 言語文化研究院, 教授 (80156463)
西山 猛 九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (40237756)
曹 美庚 九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (30351985)
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キーワード | ストーリーマンガ / 異文化間理解 / 発話の解釈 / 文体的特徴 / 含意 / ジェンダー表現 / 発話の技巧 / ポライトネス |
研究概要 |
教材開発については、これまでの実績から得た知見に基づいて数点の作品を選んで教材化を進め、同時に、日本語教育に経験の浅い日本語母語話者教師および外国人日本語教師の指導上の困難についての調査を行った。教材化のための素材としては、架空的要素・超自然的要素を含むが発話を行う際の人間関係を基盤とした制約からの自由と言う超ヒーロー的特権が与えられた人物が登場しないことを条件に、『もやしもん』『拝屋横丁顛末記』を選び、日本語教育専攻の大学院生・研究者などとの接触を利用して分析と教材化を進めた。 調査活動としては、本年度は韓国において調査を行う予定であったが、本研究費を用いずに参加した東アジア言語文化フォーラムの活動を通じて、中国(上海)において中国人教師と共に韓国人教師を対象とした調査を行う機会が得られたため、当初の予定を変更して、韓国への調査出張は行わなかった。上海外国語大学で行われた上の年次大会において面談する予定であった中国人教師と韓国人教師に対して過去に作成した教材と教師用手引きとを予め送付し、上海における学術発表会の際に計7人(中国4韓国3)に聞き取り調査を行った。また、上記に述べた大学院での活動を通して、経験の浅い日本語母語話者教師にも、同様の聞き取り調査を行った。 研究発表としては、秋田市の国際教養大学でマンガを素材として行う日本語教育の方法について講演を行った。また、研究成果を還元するために、調査費に用いなかった資金を用いて、最も汎用される言語である外国語である英語との対照や中国での慣習との比較などの視点を盛り込み、本研究で追求してきた学習者に分析を促す手法を用いて、言語コミュニケーションの総合性を認識することを促す、異文化理解のための教材を試作した。
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