美術科をはじめとする芸術教科でも教科内容の充実と同時に、総合的学習の観点からも表現教育の可能性が探究されている。本年度においては、表現教育として「音楽」の要素を取り入れ有機的調和を可能にする教材、カリキュラムを作成することを目的に研究と行った。 本年度の研究成果としては、美術における色彩や形態と、音楽における「音」との相関性を解明した。ある一つの感覚が、他の分野の感覚を引き起こすことを共感覚と呼んでいるが、その中に音に半って色が見えると言う色聴がある。ある音を聞いたら青が見えたり、別の音を聞くと赤色が見えたりするもので、視覚と聴覚が同時に生じる現象である。また色と音との連想としては、一般に高い音には明度の高い色彩を、低い音には低明度の色をイメージしやすい。 また造形教育の教材としても、ある音楽の曲全体を聴くことによって、そのイメージを抽象的な色彩や形態で表現する方法もある。さらに幼少期に初歩からぴピアノを教授する場合に、音と色とを相関さる方法(色音符法)もあり、これらも音と色との間に情緒的な共通性があり原初的にび結つきやすい現れである。このような共感覚や連想に関して、多様な対応関係の研究に関する学術調査と研究資料の収集を行った。そして、それらに基づく総合的学習のためのカリキュラム開発研究を行った。 さらに、本年度においては、それらの研究資料の収集と各術調査及びそれから獲得された知見を基に、各種の全国公募展、国際交流展、学会等にて作品発表を行った。
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