研究概要 |
授業づくりのための教員研修は多く行われているが,その参加者が実際に実践までつながるような事例は極端に少ないのが現状である。そこで本研究では,まず国立民族学博物館との連携による授業づくりを題材としたワークショップ型教員研修を行った。その参加者約20名を追跡調査し,どれぐらいの参加者が実践までいたったのか。また実践につながるための促進要因と阻害要因は何かを明らかにし,今後の教員研修の在り方を検討するのがその目的である。 ところがアンケートや聞き取り調査の結果、多くの学校では研修後の教材研究には基本的にはインターネットを通した情報を活用したいという希望があることが明らかになった。やはり忙しい学校現場においては、インターネットによる情報収集とそれを利用した授業づくりに関する情報が最もほしい情報であるということである。そこで本研究においても、2つの方向で研修が実践へつながる方法を重点的に取り組むこととした。 ひとつは、教員研修用アルトリーチ教材の開発である。これは実際に子どもたちが作った教材をそのまま複製したものが効果的にあることが明らかになった。すなわち教員や大学がつくったものではなく、実際に小学生が作ったものしか教員研修では、興味の対象にならないことが明らかになったからである。 もうひとつは、インターネットを含むICTを活用した研修用の資料やデジタルコンテンツの提供である。この2つの方向性からのアプローチによって、少しずつではあるが、研修が実践へとつながる知見が明らかになってきた。それらに関する論文を次項に示す。
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