研究概要 |
国際理解教育の授業づくりのための教員研修は多く行われているが,その参加者が実際に実践までつながるような事例は極端に少ないのが現状である。そこで本研究では,国立民族学博物館との連携による授業づくりを題材としたワークショップ型教員研修を3年連続で行った。その参加者合計30名を追跡調査し,どれぐらいの参加者が実践までいたったのか。また実践につながるための促進要因と阻害要因は何かを明らかにし,今後の教員研修の在り方を検討するのがその目的である。 結果、実践につながる参加態勢については、同一校複数以上の研修参加が有効であることが明らかになった。研修終了後も実践について、相談できる相手がいるかどうかが重要であり、同一校で2名または3名の場合はほぼ何らかの実践を行っていたことがわかった(3年間で3組)。逆に研修後、実践を計画する段階で相談できる人、関連する資料の入手が困難であることが実践への阻害要因として大きいことも明らかになった。 そこでインターネットを含むICTを活用した研修用の資料やデジタルコンテンツの提供、それらを使いこなすための教員研修の実践(月に1回)と、有効な情報機器(デバイス)のあり方について検討した。結果、タブレット型情報端末であるiPadが有効であることが明らかになり、多くの国際理解教育の授業がこの研修会を通じて実践された。
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