平成21年度は、研究代表者が大学を移籍したために研究計画の再検討を行い、一部変更して実施した。本研究は、保育者養成カリキュラムの実施スケジュールに随伴させて教育実践を行い、その実践の効果測定を行う実践研究である。そのために、養成カリキュラムのスケジュールに合わせたプログラムの設計が必要となる。研究代表者は研究申請時、`短期大学に所属しており2年間の養成カリキュラムにのっとって研究計画を立案した。しかし、本年度より4年制大学の所属となり、4年制大学の養成カリキュラムに合わせた研究計画に変更して実施したため、教育実践の実施時期、効果測定となる現場での配属実習の時期が前年度と大きく異なった。新たに統制条件も加え、現在データの分析を進めている段階である。 現時点で明らかになったことは、1、学生の日誌の記述傾向には、個人差や偏りがみられたが、それらの偏りをグラフ化して提示することで、自分の記述傾向について客観的に知ることができた。2、分析学習では、学生が自分で自分自身の実習日誌の記述文を、一文一文カテゴリに分類していくこととそのものが、教育実践の主軸となるが、この手法では学生個人内ではカテゴリ分類の傾向は比較的一貫していたが、学生間ではカテゴリ分類の傾向にばらつきがみられた。そこで、前年度のデータおよび今年度のデータについて、学生とは別の第三者(トレーニングを行った分析者)によって再度すべてのデータの分析を行い、分析学習の効果を検討をすることとした(現在、データの再収集と解析中)。
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