研究概要 |
本研究は知的障害児を含む発達障害児に対する自立活動のカリキュラム開発を目的とする実践研究である。この目的を達成するため,平成22年度は研究初年度および平成21年度の研究成果を踏まえて,自立活動の内容と方法の体系化をまとめた。特に,特別支援学校(知的障害)の教育課程の中に自立活動をどのように位置づけるかについての検討を中心に進めた。その結果,特別支援学校(知的障害)では保護者の要望と教師の願いを一致させながら,子どもの障害特性に応じたグループ編成を行うことが重要であることが示唆された。このとき、教師は子どもの障害特性と発達段階を考慮して応じて自立活動を展開しなければならず,相応の専門性が必要となることが示唆された。そのため,教師は障害特性について幅広く知識を吸収するとともに,理学療法やリハビリテーション,あるいは言語療法などの分野の専門家と協働して実践していく力量も必要であることが示唆された。さらに、自立活動の授業では,子どもの障害にばかり目を向けるのではなく,将来の自立した生活に必要な課題や日重要生活で活用できるスキルへと般化させていく方法などを考慮しながら授業展開を検討しなければならないことがわかった。特に知的障害児に対しては授業に集中し,取り組めるように興味を引くようなゲーム等を考え,実践することが重要であり,教材開発の重要性が明らかになった。こうした研究成果をもとに自立活動の実践プログラムを整理し,研究のまとめとした。
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