発達障害者支援法や特別支援教育体制の拡がりにより、通常の学校や保育の現場において発達障害のある幼児児童への指導が課題となっている。特に行動障害を示す幼児児童への対応については、通常の教育活動に支障を来すなど大きな問題となっている。このような問題に対しては、応用行動分析学における機能的行動アセスメントとそれに基づく支援の実施が有効であることが示されている。 これまでの機能的アセスメントの研究では、専門家が、ある特定の幼児児童の問題に関してコンサルテーションを実施する形態で検討されていた。しかし、コンサルテーション終了後の成果の維持や拡がり(他の幼児児童の行動障害への応用など)が課題とされていた。そこで本研究は、コンサルテーションや研修の機会を通じて、教師や保育者が独力で問題解決できるための支援の条件を検証することを目的とした。その際にポイントとなる条件として、「クラス単独ではなく、全校的(全園的)体制での支援」「既存の外部支援機会(例えば、巡回相談)の活用」「問題解決型の研修プログラム」の3つをあげて、それぞれについての検討を実施することを目的とした。
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