研究概要 |
平成22年度は,神経内科学と臨床医学総論(臨床診断学)の教材を充実させ,学生教育に実践とアンケートを実施し,その結果をもとに自己学習の補助として役立てることを目標にした. (1)教材作成:(1)授業教材のDVD化:「神経内科学」の過去の定期試験3回分,各試験につき約2時間の解説付きビデオ教材の自習用教材を作成し,学内LAN配信およびCDにて配付し,実際の試験直前学習に利用した,その結果,自己学習よりはるかに効率のよい学習ができ,ほぼ全員が再試験に合格した.(2)「授業教材の電子ブック化:「臨床診断学」の授業用資料としてパワーポイントを利用した副教材を作成した.その教材を利用し,有志学生に対して補講を実施した.その内容を電子ブック教材になるように改良した.さらに,音声解説や動画つき資料の作成を行っている.(3)動画・音声付き教材:「臨床診断学」,「神経内科学」の図表の解説はDAISY化を行い,音声での利用が可能となった.また,一部ではあるが動画・音声付きの教材のプロトタイプを作成した. (2)学生への教材配布およびその効果:「神経内科学」,「臨床診断学」の定期試験用の自習用教材を各学生に配付し,試験直前学習に利用した結果,学生の学習意欲が高まり,多くの学生の自己学習に有用であった.問題点として,視覚障害の強い学生は映像を直接見ることは困難であった.しかし,墨字プリントや点字資料と併用することで音声のみでも十分理解が深められ,試験での高点数につながった.学生からアンケートでも,利用率は約75%,今後このような教材の必要率は約90%であった. 本研究の意義および重要性は,視覚障害者の自宅学習支援のためには教材を充実させ,本学の学生への教育に進歩をもたらし,はり師国家試験合格をはじめ,専門職への自立を促す.さらに,全国の特別支援学校専攻科理療科にも教材を提供し,相互交流を図ることである.
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